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いのちの贈り物 臓器移植とは

 移植後QOL(クオリティ・オブ ・ライフ、生活の質)について一般にはあまり知られていませんが、日本移植者協議会が移植者に行なったアンケート調査では、83.4%の方が移植後の健康状態として「全く健康」もしくは「ほぼ健康」と回答し、「悪い」もしくは「非常に悪い」と回答した方は8.8%にすぎません。また社会復帰状態としても「健常者とほとんど変わらない」「健常者より劣るがほぼ通常通りの生活ができる」と回答した方も87.5%であり、健常者の方と同等の生活を送られている方がほとんどです。また、移植手術を受けたとしても、基本的には外見上は健常者とほぼ変わりません

 しかし、問題がないわけではありません。少なからず何らかの合併症を持っておられる方が多くを占めます。これらの合併症のうち多くは軽度な高血圧や貧血、高脂血症などであり、これらは薬によって抑えることができますが、視力障害(主に白内障)や肝障害、糖尿病など症状として現れる例も少なくありません。また精神的なストレスを感じていらっしゃる方も24.4%(「よくある」もしくは「時々ある」と回答した移植者)おられ、そのうち64.5%の方が体調のことで悩んでおられます。
 身体に関する問題以外にも移植者のQOLを阻害する社会的要因があります。多くの方が復職(復学)されていますが、外見上健常者とほぼ変わりがないため、一般の方と同様に扱われ、残念ながら職場での理解が得られていないという方が6.7%いらっしゃいます。また、急病時などに休みにくいと感じる方、上司に相談しにくい、職場で不利な扱いを受けると感じている方も一部にいらっしゃいます。

 このように移植者は、身体的にも、社会的にも多くの問題をかかえています。しかし、95.8%の方が移植を受けてよかったと回答し、そのうちの76.4%の方がその理由として「健常者と同様の生活ができる」ことを挙げておられます。また、41.7%の方は「生きる喜びがある」と回答しており、移植前までの数々の制限が課せられていた生活、場合によっては死を意識した生活から一変し、いただいた臓器とともに生きる喜びをかみしめております。亡くなった方からいただいた臓器であれ、家族から提供された臓器であれ、移植者にとっては大切な、いただいたいのちなのです。そのいのちの贈り物によって新しくよみがえったわけです。

 移植は、必ずしもよいことばかりではありません。しかし、移植者のほとんどは、いただいた新しいいのちとともに、明るく前向きに生きようとしています。その明るさが、移植医療を素晴らしいものにしているのだと思います。

※ 2016年に日本移植者協議会で実施した第6回移植者実態調査。記載の数値はその調査によるもの。

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