「いのちのきずな」人と人をつなぐものって何でしょう。愛ですか?喜びですか?運命ですか?
また物であったり血であったり、時には悲しみや憎しみでつながっていることもあるかもしれません。
人は誰も一人では生きていくことが出来ないと言われます。私たち移植者は、現実に一人では生きていくことが出来なかった者です。そして「Gift of Life」いのちの贈り物によって、いま生かされています。
いつも移植者は、いただいた臓器に語りかけます。あたかもそれが別の人格があるように。
「おはよう。今日も元気かな?」と毎朝挨拶する者もいます。
「ごめん、ごめん、今日はちょっと無理をさせてしまったかな」といたわるものもいます。
いただいた臓器と一緒に旅にでると語る者もいます。
私たち移植者は、いのちを贈ってくださったドナーとそのご家族に対する感謝の気持ちを持ち続けるとともに、
そのいのちとともに贈られた心も一緒に受け止め、いのちの大切さへの思いをしっかりと心に刻み生きたいと考えています。
それは移植者が生かされていることに感謝し、贈られたいのちと共に精一杯生きることでもあると思います。
2001年8月神戸、第13回世界移植者スポーツ大会で日本ドナー家族クラブの方々と初めて親しくお話をさせていただき、心やすまるものを感じました。
それから4年、少しずつですがお互いに理解しあえる様になってきました。
しかし、まだまだ多くのドナー家族の方々が、一人悩んでいらっしゃることと思います。
私たちは、移植者として、これからも感謝の気持ちと贈られたいのちと共に生きる喜びを皆さまに、お伝えしながら、ともに考え続けていきたいと思います。
NPO日本移植者協議会 大久保通方
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