日本移植者協議会2012年活動ニュース
― 改正臓器移植法から2年を迎えて ―(2012/07/17)

 私たちの悲願でありました改正臓器移植法が施行され2年を迎えます。臓器移植待機者の多くの生命が救われるようになりました。このことは、臓器移植に深いご理解と崇高な精神のもと臓器提供をされたドナー、及び勇気あるご決断をされたご家族の賜であります。改めてドナーとなられました方々に哀悼の意を表しますとともに、深い悲しみの中で臓器提供のご決断をされましたご家族に衷心より感謝と敬意を表します。
さて、改正臓器移植法施行2年を迎えた臓器移植の現状について(社)日本臓器移植ネットワークの直近の情報によれば、脳死下での臓器提供数が92件、心停止下(平成22年8月以降)132件。移植数が脳死下で390名、心停止下の腎臓移植が239名と多くの方に提供をいただき、救われています。
ただ平成24年上半期の臓器提供数は51件(脳死下提供19件、心停止下32件)。前年上半期比では脳死下からの提供で6件減、心停止下からの提供で8件減、臓器提供総数では14件減少と、誠に厳しい状況であります。
一方、改正臓器移植法に期待して登録待機している患者は約13000人。待機者の約93パーセントは腎臓移植。腎臓移植希望者は潜在的に数万人の希望者が存在するといわれている中で、私たち患者の側からは臓器移植は本当に日本に根付き発展するのか、本当に日本人が日本人を救える国になり得るか、憂慮せざるを得ません。
欧米では臓器移植待機者の生命を救うために国家として様々な施策を推進し、患者の救命に努力している現状があります。
我が国においても改正臓器移植法第3条により「国及び地方公共団体の責務」として、国及び地方公共団体は憂慮される臓器移植の現状を真摯に受けとめ、移植医療の普及のための具体的な施策を国主導のもと推進し、脳死についての理解、心停止下での腎臓、角膜提供、脳死下での臓器提供についての理解を広めていただくとともに体制整備の重点項目を明確にして、計画ある推進を実行していただきたい。
我が国の臓器移植を発展させ臓器移植でしか救われない患者救命のための施策を早急に構築し、積極的に且つ継続的に推進することを強く望むものであります。

                                       平成24年7月17日
                                      NPO日本移植者協議会
                                         理事長 山本 登

お問い合せ先:NPO日本移植者協議会
〒530-0054 大阪市北区南森町2-3-20 プロフォートビル507号
TEL:06-6360-1180・FAX:06-6360-1126

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