日本移植者協議会ニュース |
声 明(2010/08/23)
改正臓器移植法全面施行後続いて3例の脳死下臓器提供がありました。
それも全て、本人意思の確認が書面で出来ない方ばかりでした。
この方々が、7月16日以前であれば、脳死下臓器提供が出来なかった方々です。
日本移植者協議会としましては、この様な尊い決断をされた提供者のご家族のためにもこの機会に声明を出すことを理事会で決定しました。
どうか今後とも日本移植者協議会の活動にご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。声 明
この度、改正臓器移植法施行後3回目の脳死臓器提供が行われました。これは、施行後初めて書面による意思表示がない家族承諾での脳死下臓器提供が行われてから、2週間も経ずして2回目の提供があったことになります。
私たちは移植者として、これらのご家族の尊い決断に対し心から敬意を表すると共に、ご提供者のご冥福をお祈り致します。
当協議会は、常に臓器提供者及び提供家族が尊敬され、称えられる社会の形成なくして臓器移植の普及はないと訴えてきました。また私たちは様々な機会に臓器提供家族のケアーとフォローの重要性を訴えてきました。そのための活動として臓器提供者の感謝の集いであります「 生命 ・きずなの日記念祭」と「臓器提供者慰霊祭」を最も重要な活動の一つとして毎年行って来ました。
今回の脳死下臓器提供にあたり、日本臓器移植ネットワークを初め各県のコーディネーター及び関係医療機関は、提供者ご家族の意思を尊重すると共に、十分な配慮がなされたことと思います。
しかしながら提供者ご家族にとっては、提供の時点より遥かに長い年月をこれから過ごさなければなりません。
今後関係者は、このご家族たちが心穏やかに、後悔されないよう最善の努力をしなければなりません。特に今回の2回の脳死下臓器提供は、本人意思不明で家族承諾によって提供されました。これらの方々には、より一層のケアー、フォローが必要です。
私たちが以前から提言していますように、まず日本臓器移植ネットワークに提供者ご家族に対応する専門のコーディネーターを各支部に置く必要があります。そして長期的に提供者ご家族をケアー、フォローする独立した機関を設置する必要があります。いまこそ臓器提供者ご家族への体制整備が急務です。これは日本臓器移植ネットワークだけでなく、国を挙げて取り組まなければならない緊急の課題です。
臓器移植において、最も大切にしなければならないのは、臓器提供者とそのご家族です。今回の臓器提供におきましても、メディアによっては慎重派の意見として、ともすると提供者ご家族を批難中傷する言葉も見受けられました。報道機関におかれては、世論調査結果に基づいた公平な報道を願うものです。臓器提供は、法律で認められた権利です。いまメディアも含め社会がこのご家族たちの意思を尊重し温かく見守って欲しいと思います。
お問い合せ先:NPO日本移植者協議会
〒530-0054 大阪市北区南森町2-3-20 プロフォートビル507号
TEL:06-6360-1180・FAX:06-6360-1126
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