日本移植者協議会2009年活動予定詳細
臓器移植法改正に関する要望書提出(2009年3月12日)

衆議院議長 河野 洋平 様
参議院議長 江田 五月 様
                   臓器移植法改正に関する要

 私達は、臓器移植にかかわる患者および家族の5団体12万人で構成する会です。1995年より、ともに力を合わせ臓器移植の普及啓発を目的として活動しております。
 臓器移植法施行後、我が国の脳死下での臓器提供は、少しずつ増加をしておりますが、年間10例前後しかなく、今までに81例に過ぎません。また献腎移植も年間200例ほどの状況が続いております。
 加えて現行法では臓器提供に書面による意思表示を必要とするため15歳未満での提供ができず、子どもたちは、危険を冒し膨大な費用をかけ海外に渡航せざるを得ません。また最近は、年齢を問わず国内での移植をあきらめ渡航する患者もあとを絶ちません。しかし、そのような機会を得られる患者は極めて少なく、この10年間に心臓で約4千人、肝臓で約1万5千人が亡くなっていると推定されています。その他の臓器を含めますと2万人をはるかに超える方々が亡くなってしまいました。また近年は中国やフィリピンなどアジア諸国への渡航移植が急増し、臓器売買や病腎移植などの諸問題も起こっております
 昨年、国際移植学会が「イスタンブール宣言」を発表し、各国における臓器の自給自足を促しました。今年1月には、WHOの理事会においても、各国が自国での提供を増やし臓器を自給自足するよう努める。それに伴い海外への渡航移植を原則的に禁止することが決議されました。そして今年5月に開かれるWHOの総会において正式に決定される見通しです。
 罰則規定は、ありませんが、この規程が承認されますと、ほぼ海外渡航移植が出来なくなります。これにより今ですら数人しか助けられない心臓移植を待つ子どもたちの生きる道が閉ざされてしまいます。
 現臓器移植法には、3年を目処に見直すとの条文がありながら、すでに11年以上を経過しております。また3年前に改正案が衆議院に提出されたのにも関わらず、厚生労働委員会及び小委員会において参考人質疑が四たび行なわれたのみで、昨年の6月以降は、全く審議されていません。私たちは一日も早く「臓器の移植に関する法律」が以下のように改正されることを願っております。
1)脳死に陥った時、本人が「生前、臓器提供の意思を示していたとき」もしくは、「拒否の意思表示がなく、家族が承諾したとき」臓器提供を行うことができる。
2)全ての臓器提供意思を活かせるように、健康保険証やカード、運転免許証に臓器提供の意思表示欄を設ける。
 私達は、日本において誰もが必要とする時、安心して移植が受けられる社会の実現をめざしております。今通常国会において、「臓器の移植に関する法律」の改正案を速やかに審議し、改正されることを強く要望致します。                                    

臓器移植患者団体連絡会
代表幹事(NPO日本移植者協議会理事長)大久保 通方
(社)全国腎臓病協議会    会長 油井 清治
全国心臓病の子どもを守る会 会長 斉藤 幸枝
胆道閉鎖症の子どもを守る会 代表 杉本 紀子
ニューハートクラブ     代表 都倉 邦明


お問い合せ先:NPO日本移植者協議会
〒530-0054 大阪市北区南森町2-3-20 プロフォートビル507号
TEL:06-6360-1180・FAX:06-6360-1126
E-mail:nichii@guitar.ocn.ne.jp

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