平成２２年度事業報告書

平成２２年４月　１日から

平成２３年３月３１日まで

特定非営利活動法人日本移植者協議会

平成２２年度事業報告書

　昨年７月１７日に、当協議会発足以来の念願であった改正臓器移植法が施行された。これにより漸く世界標準の臓器移植法により我が国の臓器移植を進められることになった。

　その結果、８月１０日に初めて本人意思が書面によって確認出来ない人からの脳死下臓器提供が家族の同意により行われた。その後も本人の意思が書面より確認出来ない家族同意での脳死下臓器提供が続いた。そして今年３月末の８ヵ月間に、尊い３９例の脳死下臓器提供と４５例の心停止下腎臓提供あり、多くの患者さんの命が救われた。我々が法改正後の臓器提供数について、過去のデータから心停止下の臓器提供の約半数が脳死下臓器提供に変わるであろうと予測した通りとなった。昨年の８月から１２月までの実績を過去５年間の総提供数の平均４０例と比べると５０％増となった。しかしこれを年換算すると脳死下臓器提供が７０例、心停止下提供が７７例となり臓器提供そのものが大幅に増加したとは言えない状況である。ただ提供施設の体制がある程度整うのは１０月以降と考えており、その意味では予想を超えて、提供施設の体制整備も進んでいたと思われる。また今回の脳死下臓器提供が、ある施設ある地域に集中せず、全国に及んでいることから、これも予想以上に国民の法改正への理解が進んでいたとも考えられる。

　改正臓器移植法では、臓器提供に本人意思の書面による確認が不要となったが、意思表示の重要性は、減ずるどころかより高まったと言える。勿論拒否の意思表示も確認の重要性が大きく増大したが、本人意思が不明の時でも家族同意で提供出来ることになったことにより、残された家族の精神的負担をより少なくするために、家族で話し合い一人一人がその意思表示を伝えることはより重要となった。

　今回の法改正により健康保険証（カード）、運転免許証に意思表示欄が設けられる。これらの更新には、３〜４年程度かかると推察されるが、０歳の子どもから意思表示カードが配布され、ほぼ国民全員が臓器提供意思表示カードを所持することになる。これは今まで世界でも例がなく、この記入率を高めることは、当協議会としても最重要課題である。本年の事業計画において３年後の平成２５年に臓器提供承諾の記入率を２０％にすることを目標とし、成人の脳死及び心停止下での提供が５百例、腎臓移植は生体を合わせて２千５百例を予想した。

　まだその筋道は見えていないし、増加の兆候も僅かであるが、より積極的な普及啓発活動が続けたならば、この２〜３年以内に飛躍的な増加をするのではないかとの予感がしている。当協議会としても我々として出来ることを一つ一つ実行して行かなければならない。

　本年度は、７月にギフト・オブ・ライフプロジェクトを日本移植学会や日本臓器移植ネットワークなどと共催して実施したが、それを全国に波及させるために新たにグリーンリボンプロジェクトを立ち上げ、８月の札幌を皮切りに那覇、名古屋、新潟、福岡、大阪で実施した。

　当協議会は「臓器提供者及びその家族が讃えられ、尊敬される社会の形成なくして臓器移植の発展はない」と常に言っている。本年もそれに添い「生命・きずなの日」記念祭を５月１５日（土）全電通会館で、臓器提供者慰霊祭を５月３０日（日）名古屋市覚王山日泰寺において開催した。

　今までも国による臓器提供者及びその家族の顕彰と慰霊祭の開催を訴え、加えて国、関係機関に協力を求め、恒久的な臓器提供者家族のフォローとケアーを行う機関の設立の提言を行っている。しかし平成２２年度はその動きがなかったが、来年度は日本臓器移植ネットワークにドナー担当のコーディネーターがおかれ、専用ダイヤルも設けることが決まった。今後も引き続き厚生労働省及び関係機関にドナー家族のケアーとフォローの充実と体制整備を訴えていかなければならない。

　当協議会の目的のひとつは、臓器移植者と移植を必要とする患者にとっての最大幸福の追求である。その活動として臓器移植患者団体連絡会として厚生労働省への要望は上期には行わず１２月２日に行った。但し５月に当協議会単独で「臓器移植に関わる薬剤についての要望」を行い、免疫抑制剤「エベロリムス」「抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリン」「リツキシマブ」３剤の早急なる保険適用を要請した。

　今年度は理由が不明であるが、電話やメールによる医療、年金相談が大幅に減少している。定期的に会報等で情報を配信しているのが若干は寄与していると考える。今後は、ホームページにおける情報提供を増やしていきたい。

　移植医療が一般医療として定着し、全ての移植施設において、高い医療レベルを維持し、術後管理を行える体制の整備、そして国民の臓器移植への理解を高め、臓器移植者が社会の差別なく、安心して暮らせる社会実現に向け、当協議会として今後も国及び関係機関に訴えると共に、これらの実現に努力する。

平成２２年度事業内容

１）臓器移植に関わる普及啓発活動

・ギフト・オブ・ライフ作品展

原画展は、平成２２年度は７月にノバルティスファーマ社などの協賛を得て日本移植学会、日本臓器移植ネットワーク、胆道閉鎖症の子どもを守る会と協力し六本木ヒルズにおいて、ギフト・オブ・ライフ・プロジェクトを実施した。このプロジェクトでは、過去の出展者からのコメントや写真の提供、新たな作品の公募などの活動を行い、ギフト・オブ・ライフ１５周年記念作品展として六本木ヒルズ１階ヒルズカフェにおいて開催した。なお新たな作品の応募は２０点であった。

その後ギフト・オブ・ライフ１５周年記念作品展は、グリーンリボンプロジェクトとして、８月の札幌をかわきりに那覇、名古屋、新潟で開催した。なお一部は、横浜の市民公開講座と京都の日本移植学会総会でも展示した。

その他一般展示は、例年通り１０月を中心に全国５０ヶ所以上で開催した。この活動は、臓器移植の素晴らしさを伝える上、分かりやすく誰にでも親しまれる展覧会であり、対費用効果も高く有益である。

残念ながら学会関係は、あまりの忙しさのため縮小せざるを得なく、日本移植学会総会（１０月京都市）のみの展示となった。

・グリーンリボンキャンペーンからグリーンリボンプロジェクト

臓器移植の普及啓発とグリーンリボンの周知のため、新たにグリーンリボン協会（仮称）の設立を目指したが、関係機関との調整が進まず、設立どころか、その目処も立っていない。しかし改正法施行に合わせ、全国的な普及啓発活動が必要であり、新たにグリーンリボンプロジェクトを立ち上げ、７月にノバルティスファーマ社などの協賛を得て実施したギフト・オブ・ライフプロジェクトの地方版として８月札幌、９月那覇、１１月名古屋、１月新潟において臓器移植フォーラムとギフト・オブ・ライフ作品展をセットで実施した。その後は３月に福岡、大阪において臓器移植フォーラムのみを実施した。

今回のフォーラムでは患者団体などへの動員は、お願いせず、関係方面へのポスターとチラシの配布とメディアへの広報のみ行った。そのため参加者数にばらつきはあったが今までの同種の催し物に比べ一般市民の参加が多かった。しかしまだまだ関心は低く６会場の参加者総数は５百名を下回った。今後は、内容や広報の検討が必要であろう。

・国際漫画シンポジュウム展

改正臓器移植法施行後も全国各地で様々な普及啓発活動を行っているが、その一つとして当協議会としては初めて「臓器移植～いのちの贈りもの～」をテーマに国際漫画シンポジウム展を企画した。今回の国際漫画シンポジウム展は、鹿児島在住の漫画家坂井貞夫氏がコーディネーターとして、世界各地の漫画家に呼びかけて実現した。

昨年１０月１３日から５日間、鹿児島県歴史資料センター黎明館（鹿児島市）にて開催しテレビ局２局を初め地元のメデイアが報道し、千人もの鑑賞者があり好評を博した。作品によっては、マイナスのイメージを与えるとの危惧もあったが、観賞後のアンケートでは、殆どがプラスとの感想を持ったことが分かった。またより一般への理解を進めるために会期中に会場内の一部でワークショップを開き、提供側と移植側の医師も講演した。今後は東京（東京都庁展望室）や名古屋、大阪、福岡、新潟などで開催を予定している。

・グリーンリボン・ランニング・フェスティバル

１０月２４日（日）東京国立競技場において第４回を開催した。今年度も参加者が増加し４千人を超えた。例年と同じくドナー家族の方にご参加いただき、感謝の言葉を述べるとともに、全員でありがとうの言葉と一緒に４千個のバルーンを上げた。このイベントも例年、秋のランニングイベントとして認知され定着した感がある。

共催：東京陸上競技連盟、東京新聞・東京中日スポーツ

後援：厚生労働省、千代田区、(社)日本臓器移植ネットワーク等。

協賛：ＡＩＧエジソン生命、アステラス製薬、三菱商事ほか

・中之島祭り

５月３〜５日大阪北区中之島公園一帯において大阪腎臓病患者協議会やシニアーライオンズクラブなどの協力を得てキャンペーンを行い、パンフレット、意思表示カードを２万セット配布した。

・東海支部普及啓発活動

東海支部として、６月にギフト・オブ・ライフ作品展を開催した。その他例年通り、１１月に名城大学学園祭と弥富での活動を行った。

・第１９回全国移植者スポーツ大会

１０月９日（土）・１０日（日）沖縄県北谷町において実施した。競技参加者総数は男性８２人、女性６２人、合計１４４人であった。　　　　　

移植者は７７名（心臓１３名、肝臓４名、腎臓５２名、肺３名、心肺１名、骨髄２名、移植希望者は３名）、その他医療関係者２名、家族及び一般６０名であった。海外からはタイとマレーシアから移植を受けた子ども３名と家族５名が参加した。国内からも招待した移植を受けた子どもたちは、９名が参加した。また例年通りドナー家族を招待し１１名（７家族）が参加された。

大会の模様は、地元の新聞とテレビに大きく報道され、臓器移植啓発に寄与した。

また今回初めて、大会翌日に子どもたちのサマーキャンプを行い、子どもたちだけでなく保護者間の交流や情報交換の場を提供した。移植を受けた子どもたちは、地域では、募金などにより特別視されることも多く、また保護者も同様の悩みを抱えているため、同じ仲間との交流は、意義深いものと考える。

２）臓器提供者及びその家族に関わる活動

当協議会は、以前から「臓器提供者及びその家族が尊敬され、称えられる社会の実現なくして臓器移植の発展はない」と言ってきた。臓器提供者及びその家族への社会の理解を広めることは、当協議会の使命である。本年度も引き続き臓器提供者及びその家族のための活動を行った。

・「生命・きずなの日」記念祭

今年初めて「生命・きずなの日」記念祭を日本臓器移植ネットワークと共催し５月１５日（土）に全電通会館において肺移植者のイザベル・アナベル姉妹を招き実施した。参加者は、約１５０名と例年を上まわった。またドナー家族も６家族７名参加された。今後も我国のドナー家族が幸せになることを目指し共に力を合せ努力していきたい。来年度以降の開催の形態については今後議論しなければならない。

・臓器提供者慰霊祭

５月３０日（日）に名古屋の覚王山日泰寺において実施した。参列者は２５０名ほどになり、例年を大きく上まわった。今回は、地元を中心に臓器提供者ご家族に参列いただいた。終了後、ドナー家族と懇親会を開催し、交流を深めた。参加されたドナー家族は１０家族１７名だった。今回の慰霊祭にもここ５年以上に亘り毎年参列している「日本ドナー家族クラブ」の方の参加がないのは残念であった。

３）臓器移植患者団体連絡会の活動

　臓器移植患者団体連絡会は、一昨年の法改正でその大きな役割を終え、一区切りがついた。その後各団体と協議し、今後も引き続き行政や関係機関への働きかけと臓器移植の普及啓発を各団体が協力して行うこととなった。しかし今後、東京銀座におけるパレードを除き、普及啓発活動は当協議会単独もしくは各地区の患者団体との連携、協力の活動が主となると思われる。

・行政への働きかけ

臓器移植患者団体連絡会としては、上期は殆ど活動を行わず、１２月２日に厚生労働省へ要望書を提出し折衝を行なった。

今回の要望書では、法改正により臓器移植の普及啓発が国及び地方自治体の義務になったことに伴う積極的な施策への要望のほか、ドナー家族へのケアー、フォローの充実と国としてドナー、ドナー家族を感謝、称える会の開催、コーディネーターの増員と都道府県コーディネーターの待遇改善と資質の向上、提供施設の体制整備とオプション提示の徹底、診療報酬の改定や移植関係薬剤の早期承認と保険適用などであった。

なお昨年５月に当協議会では単独で「臓器移植に関わる薬剤についての要望」行い、「エベロリムス」「抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリン」「リツキシマブ」３剤の早急なる保険適用を要請した。

　「エベロリムス」（販売名サーティカン・ノバルティス　ファーマ）は、現在心臓での適用が認められている。効能は臓器移植の拒絶反応の抑制。

「抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリン」（販売名サイモグロブリン（R）点滴静注用２５ｍｇ・ジェンサイム・ジャパン）効能は全臓器移植における急性拒絶反応の抑制。

「リツキシマブ」（販売名リツキサン・全薬工業）効能は血液型不適合移植及び液性拒絶反応の治療。

・臓器移植患者団体連絡会の普及啓発活動

１０月３日に東京銀座においてパレードを臓器移植推進キャンペーンとしてＮＰＯ東京腎臓病協議会や青山学園大学吹奏楽バトン部の協力を得て行った。今回は、参加者が大幅に減少した。法律が改正され関心も薄れてきたのも知れないが、特に移植者の参加が少ないのが残念である。今後は実施の有無や内容についての検討が必要と思われる。

４）情報提供事業

一昨年の世論調査でも、それまでと同様に８３％が臓器移植に関する情報が不足と回答しており、また医療者の理解も深まっていない。また昨年４月に行ったインターネットによる調査では、臓器移植法の改正を知っている人は３０％に過ぎず、内容まで知っている人は４％に留まっていた。その後施行までの３ヵ月間に多くの報道がなされたことにより、法施行直後のインターネットの調査によると、おおよその内容も含め知っている人が３８％になったが、臓器移植に関する情報が十分とは言えず、当協議会では医療者を含め、広くより一層情報提供に努めた。

・ 移植セミナー

移植セミナーは、各ブロックにおいて少なくとも１回の開催を目指し上期は、名古屋、金沢、鹿児島、札幌、熊本、釧路、新潟において実施した。特に金沢では、金沢医科大学の協力を得て初めてギフト・オブ・ライフ作品展と同時開催した。下期は郡山（福島県）、東京、滋賀、那覇、大阪、高松において実施した。高松は初めての開催であったが、約５０名の参加があった。今後も各地区の患者団体と協力し新たに開催地を増やしていきたい。

・移植医療勉強会

移植医療勉強会は、７月に東京（日本教育会館）で実施した。その後は臓器移植フォーラムなど当協議会関連の行事が多く、名古屋での開催のみで予定していた福岡と大阪では実施出来なかった。２３年度は、早い時期に大阪と福岡で実施したい。

・インターネット事業

インターネットによる情報提供は非常に重要であり、当協議会の重点活動と位置づけ、迅速な更新を行うと共に、臓器移植情報センターのホームページも順次更新を行った。その結果グーグルとヤフーの検索でも上位に上がるようになってきた。また今年度２回発行した号外は、ホームページに掲載し、ダウンロード出来るようにした。

今後も当協議会と臓器移植情報センターのホームページの更新を出来る限り頻繁に行うと共に、臓器移植情報センターの内容を一新したい。

・会報の発行

平成２２年度のＪＴＲニュースの発行は、本誌４回と号外２回にとなり、かろうじて年６回の発行となった。事務局及び編集員の人員不足が原因であるが、会員への唯一の情報提供として、２月から７月まで号外のみ発行は、やはり反省すべきである。新たに編集委員を選出すると事業計画でうたっており、早急なる対応が必要であり、より一層の編集業務の強化に取り組み内容の充実を図るべきである。

一昨年の９月に新型インフルエンザ情報を提供するために初めて号外を発行したが、平成２２年度も６月に全国移植者スポーツ大会のお知らせと活動予定を１０月にインフルエンザ情報と冬季に向けての注意や活動予定を掲載し号外を発行した。今後も緊急性、必要性に応じ、不定期ではあるが号外の発行を行い早い情報の伝達を図る。

・相談業務

平成２２年度の電話及びインターネットによる相談業務は減少している。しかし今後も引き続き、きめ細かい対応を行っていく。

平成２２年度の組織及び財政

・組織

会費を１０００円に値下げしたにも係わらず、正会員は微増にとどまっている。しかし本年は、全国の透析施設に会報を送り賛助個人と団体会員の獲得に努めた結果、賛助会員は、増加した。

実際には、未だに会費値下げ後も会員獲得の方策を見いだせず、僅かに全国での移植セミナーを通じた会員獲得が若干の成果を上げたのみである。各地区における移植者会または支部の設立は、あまり出来ていない。

会員獲得には、支部または移植者会の設立が有効であり、そのためには、人材の発掘が不可欠である。幹事となる人材を確保し、全都道府県に幹事を置くとともに、事務局として支部または移植者会の設立を支援しなければならない。既にある支部においても役員を含め体制と活動を見直し、強化しなければならない。各支部や幹事が円滑に活動を行う上からも都道府県の枠を超えブロック単位での連携、協力体制を図って行く。

幹事の能力向上と連帯感の昂揚、情報共有のために幹事を対象に本年度も引き続き研修会を２月に開催し、講師として日本移植学会理事長の寺岡慧先生と、大阪大学附属病院移植医療部副部長の福嶌教偉先生に講演いただき、研鑽を図った。総会や研修会において幹事一人ひとりの能力向上を図り、役員間の交流を通じ、お互いの連帯感、信頼感を深め、都道府県の枠を超え日本移植者協議会として互いに協力しあう体制を構築する。

・事務局

漸く昨年の７月に改正臓器移植法が施行された。そのため新制度への移行や、新体制の整備、新たに立ち上げたグリーンリボンプロジェクトのため昨年度以上に理事長の出張による不在が続いており、今後もより一層多忙となると予想される。しかし理事長は全国移植者スポーツ大会を除く、文書制作、移植セミナーや移植医療勉強会等の活動を引き続き行っている。但し事務局業務に今までのように目を配ることは、不可能と思われる。また事務局長の勤務も週１０数時間程度しかなく、このままでは事務局業務に支障を来すとことが懸念され、７月から新たにパートひとりを増員した。今後も事務局体制を見直し、役割分担と責任の明確化をし、業務はメールや電話などによる効率化を図ると共に、各理事の担当を決め業務の分担を図る必要がある。また徐々にボランティアの業務範囲を拡大し、会報の発送業務など事務局員の業務負担を軽減し、事務量の増加に備えていかなければならない。

・財政について

当協議会では、正会員会費を千円にいた時より、会費収入は総収入の約１０％を占めるに過ぎない。それに加えて会員の増加も僅かであり、当協議会の活動が寄与し会員が増加したとしても、それほど大きく財政が潤うことは難しい。したがって収入の多くを寄附に頼らざるを得ない現状に変わりはない。しかし今年度の会員関係の寄付は、一昨年、昨年に比べ大きく減少した。一昨年の金融危機以来、経済状態が悪いことが影響していると思われるが、継続的に広く浅く集める方策を講じたいが変動の大きい個人寄付に頼ることは難しい状態である。

臓器移植患者団体連絡会関係の活動費は、例年通り臓器移植患者団体連絡会が負担し、同じく臓器移植患者団体連絡会から「生命・きずなの日」記念祭等の活動に対し助成を受けているなど財政改善に努力している。

ギフト・オブ・ライフ・プロジェクトやグリーンリボンプロジェクト関連の寄付をより積極的に獲得し、より節約にも努めたが、予想以上に経費が増加したことに加えて、寄附等の収入が予想を下回り、赤字決算となった。

今後も企業や団体からの寄付が主流とならざるを得ないが一般からの寄付も広く募るためにクレジットカードでの寄附を可能とし増収を図る。そして積極的な臓器移植普及啓発の財源とすると共に、支出の増加に対処する。事務局では積極的に援助先を開拓するが、役員、一般会員の協力もお願いする。